日本の獣医師として、恥ずかしいことに、日本の固有種である在来牛が現存しているとは知らなかった。このことを知ったのは、大塚製薬の広報誌である大塚薬報5月号(第805号)に記載されていたからである。日本には、山口県萩市の離島である見島で天然記念物に指定されている見島牛と鹿児島県トカラ列島の口之島に野生状態で生息する口之島牛の2種がいて、このうちの見島牛について詳細記事がありました。
見島は、萩市の北西約44㎞にあり、外周18㎞、面積は77㎦、人口700人弱の小さな島で、見島牛を飼養する農家は5件で、約90頭飼養されている。過去には600頭飼われていたが、1975(昭和50)年には33頭まで減少し絶滅の心配があったが、「見島牛保存会}が結成され、繁殖牛を100頭を目標に活動されている。しかし、人口減少、飼養農家の高齢化と後継者不足が悩みの種という。
見島牛は、性格が温順で扱いやすく、過去には狭い田んぼで小回りが利くなどで農耕や物資運搬に大いに活用された。また、肉質も味も良く黒毛和牛のルーツと目されおり珍重されています。オス牛は体高130㎝、体重400㎏、メス牛は、体高113㎝、体重250㎏である。外国種の影響を受けていない種として1928(昭和3)年に「見島ウシ産地」として天然記念物として指定された。
現在の日本では、肉牛として黒毛和牛、褐色毛和牛、無角和牛、日本短角種が飼養されているが、外国種と交雑し固定化されたものである。乳用牛として、ホルスタイン種やジャージー種が買われている。見島牛は、これらより小型である。
島内では、天然記念物だが、島外に出ると指定が外れ肉用となるが、年間10頭程度と少ないので、簡単には食べれない。搬出される見島牛のすべては、肉用目的であり、島外で飼養されてはいない。
実際に見分したいが、遠方で尚且つ不便そうなので、簡単には行けそうにないから悩ましい。
私は、貴重な在来の固有種であるこの見島牛を保護し増殖すること、遺伝的問題を避けるため、この牛の存在を広く国民に知らせるためなどから、日本各地の牧場、動物園、公園などで飼養してもらいたい。さらに、日本固有の在来日本馬各種、日本鶏各種などと一緒に展示飼養し、いずれも身近な存在となってもらいたい、と願っている。
2025(令和7)年6月20日掲示した