独語21 馬③ 日本のウマっこ(在来馬)

日本の固有種の在来馬をご存じの方は、どれくらいいるだろうか? 多分、知らない方が多いと思うので少しだけ紹介します。
現存する日本の在来馬は、北海道和種馬(道産子)、長野県木曽地域の木曽馬(長野県の天然記念物)、愛媛県今治市の野間馬(今治市の天然記念物)、長崎県対馬市の対馬馬(たいしゅう馬、対馬市の天然記念物)、宮崎県串間市の御崎馬(国の天然記念物)、鹿児島県のトカラ馬(鹿児島県の天然記念物)、沖縄県宮古島の宮古馬(沖縄県の天然記念物)と与論島の与那国馬(与那国町の天然記念物)の8種で、この他に、青森県の寒立馬がいるが在来種ではない。
私は、道産子と木曽馬に騎乗してことがある。他の6種は見たことがないが、伊豆大島の三原山に行く途中で見かけた馬が、在来種の一つであると思ったが不明だった。

北海道和種馬(道産子)と木曽馬は、体高125~135㎝、体重350~400㎏、対馬馬の平均体高は、雌が125㎝、雄が127㎝で体重は約300㎏、御崎馬は平気体高が130㎝、体重300㎏、野間馬トカラ馬宮古馬与那国馬は、体高100~120㎝、体重250~300kgである。ちなみに、競馬で有名なサラブレッドは、体高160~170㎝、体重400~500㎏なので、在来馬はかなり小さく、シェットランドポニー等と同様の小型種で、体高147㎝以下のポニーに属している。だが、ミニチュアホースのファラベラポニー(アルゼンチン原産、騎乗不可)は、体高70㎝、体重70㎏なので、これに比べれば在来馬は大きい。

このウマたちを見たり触ったりするのは、かなり難しい。あの馬事公苑や馬の博物館ですら全8種を見ることができないので、全種を見れる場所ができればいいなと思っている。一人でも多くの国民に知ってもらうために、動物園等で飼育してもらいたい。というのは、この多くは飼養頭数が減る傾向にあり、絶滅危惧種に向かっている感があり、特に今年はコロナ禍が重なって今後が心配です。
数年前、宮古馬に対するネグレクト事件が報道されたので、今後は、このようなことがないよう動物(馬)の福祉に適った飼養管理を心掛けて飼育してもらいたいものです。

在来ウマっ子たちは、昔は農耕、運搬、乗用に活用されたが、今では、農耕や運搬に使われることなく、乗用に使われる他に観光の目玉?(見世物)、まれに馬車を引いている。馬は、乗用や使役に使われることで、たくましく活動的な馬らしくなり活躍できると思っている。例えば、動物園等で、お年寄りやハンディキャップがある方、歩きたくない人などを馬車に載せて見物してもらうのが良いと思うが、何よりも、子供たちの乗馬がもっともっと盛んになり、子供たちの心身・健康の増進に役立ててもらいたい。
日本の貴重な文化財である在来馬をもっと身近なものにしたい。