野生動物や農場動物など様々な動物を飼養管理して展示する施設で、動物園、水族館、サファリパーク、水棲哺乳類や魚類などを展示するマリンパーク、クマやキツネなど単独種を展示するものなど大小様々な形態の施設があります。当然なことに、飼養されている動物たちは、その種に見合う施設・設備を備え動物福祉に適った取り扱いがなされていなければなりません。
自然界では、空を飛ぶ鳥やコウモリ、草原、森林、樹木、山野、岩山などに生息する動物、河川、湖沼、海などの水棲動物などが、それぞれの環境に即して生息しています。捕らわれた動物は、その種に適合した環境を与えられるべきと思いますが、動物園などの施設では無理であると思います。できるだけその種に見合うように施設・設備などを改善し、適切な飼養管理をしていただきたい。
実際の展示の在り方は、動物を檻に閉じ込めて見せるのが多いと思っており、改善してもらいたいことが多々あります。そこで、動物園など動物を飼育してる施設を訪れたら、あなた自身の目でチェックしていただきたい。そのチェックポイントを記します。前掲の「野生動物を見るときのガイドライン」、「5つの自由(5Freedoms)」はもちろん、その他に Mr.Rob Laidlaw が提唱する下記の5S’s もチェックしてください。ぜひ、動物の気持ちを考えながら、その施設を見直してみましょう。未来ある子供たちが見学に訪れる施設ですので教育的配慮が求められます。
5S’s
1、Space 飼育場が、十分な広さになっていること。
羽ばたき飛べる、ジャンプしたり走れる、泳げたり深く潜れるなど。狭苦しく、閉じ込め飼育はNO。
2、Substrate 飼育場の床は、足に負担にならない床材であること。
土、砂、板、木材チップなどは、足に負担が掛からないが、コンクリートの床はNO。
3、Stimulation 適度な刺激(玩具や道具以外の)があること
音声・音響、動作、風、流れ、触る、起伏、池やプールなどで動物に刺激を加えること。退屈にさせない。過度な刺激でパニックに陥らせない配慮が必要。
4、Shelter 避難できる場があること。
暴風雨雪などの危険から身を守るため逃げ込める場所、人の視線を避ける場所が必要。
5、Social Context その動物に見合う社会的状況になっていること。
群れ動物には集団で飼育し、単独飼養をしない。単独行動する動物と区別する。夜行性、樹上、岩山、プールや池なども
この他に、Mr.Rob Laidlaw は、動物園や水族館で飼育困難な四動物(種)がいるとのこと。
1、象 2、白熊 3、イルカとシャチ 4、大型霊長類(ゴリラ、チンパンジー)
このことは、同意できるものがあるが、ほかにもあるのではと思っているので、私は懐疑的です。
公益社団法人 日本動物園水族館協会(JAZA)に所属する施設の中には、絶滅危惧種に陥った希少種の動物を保護し繁殖を試みて増殖を目指し、増加に成功した動物を自然復帰させる取り組みを行っています。このJAZAに所属していない動物園や水族館が多数あることが気になります。