昨年改正された「動物の保護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)が、6月から施行された。これに伴い、適正な飼養管理の基準の具体化について、第6回目の検討会が7月10日に、第7回目が8月12日に小泉環境大臣が冒頭に挨拶されて開催され、環境省から最終基準案が提示された。「動物との共生を考える連絡会」(連絡会)は、以前の検討会でのヒアリングで、具体的な数値と5つ自由に基づく飼養管理の基準(案)を説明しました。
現在の動物愛護管理法の基準は、恐ろしくあいまいなので。自治体や警察・検察が事例を摘発できないなど、実効性が殆どない状態です。
今回提示された基準案は、飼養施設の設備構造・規模、管理について、飼養スペースの数値や飼養管理などを具体的に記されました。しかし、提示された飼養スペース等が連絡会が提示したものより狭小でであった。この数値が、今後の中央環境審議会動物愛護部会の審議後、パブリックコメントを経て承認されると、この数値が独り歩きし、これをもとに閉じ込め飼育する輩(業者、団体、個人)が出てくる可能性があります。我が国では、一旦確定した数値を改定・変更することは、非常に難しいから、提示された基準案を見直していただきたいと考えています。
この他に、従業員一人当たりの飼養管理頭数(販売、繁殖、保護団体)、飼養・保管の環境管理(臭気、温度、換気、採光、騒音など)、疾病等に係る措置(獣医師の健診など)、展示・輸送方法等、繁殖回数・方法(交配開始年齢、繁殖サイクル、帝王切開など)、その他(動物の管理)として、汚れ、被毛、爪の管理、人との触れ合い、運動、清潔な給水などの基準が提示された。
何はともあれ、この統一的な基準が確定すると、自治体がチェックしやすくなり、指導、命令、勧告ができるので、悪質な事業者を排除できることになるから、動物愛護管理法の実効性が高まると思います。小泉環境大臣は、挨拶の中で、自治体が迷う事例が出たら相談できる仕組みを環境省内に作るとのこと。2021年6月施行時には、連絡会と私は、世界に誇れる飼養管理基準にと願っています。また、この基準は、第1種動物取扱業者にのみならず、第2種動物取扱業者(動物愛護・保護団体等)にも準用されることになっているが、これ以外の小規模な動物愛護・保護団体のみならず個人にも適用されるべきであると考えます。