人がペットを含め色々な種類の動物を飼う際に、その動物種の生理・生態・習性に適った飼養管理するよう定められた国際的な基準があります。これは、世界動物保健機関(WOAH=World Organization for Animal Health)の前身である国際獣疫事務局(OIE=L’Office International des Epizooties)及び英国王立動物虐待防止協会(RSPCA=Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals)が提唱し「5つの自由」(5Freedoms)に基づいて動物福祉を評価(Animal Welfare Assessment)するものです。
以下の評価項目は、動物がどのような状況で飼育されているかをチェックするもので、「いいえ=No」がある場合は、動物の福祉のために改善する必要があります。
この評価表は、RSPCAの査察官(所謂アニマルポリス)が使っているものを参考にしたものです。どうぞ、自己採点してみてください。もし、問題があれば、改善へのお手伝いをさせていただきます。
「5つの自由」(5Freedoms)に基づく動物福祉の評価表
1、飢えと渇きからの自由
① 動物が、清潔な水をいつでも飲めるようになっていますか?
② 動物は、健康を維持するために栄養的に充分な食餌を与えられていますか?
2、肉体的苦痛と不快からの自由
③ 動物は、適切な環境下で飼育されていますか?
④ その環境は、常に清潔な状態が維持できていますか?
⑤ その環境に、鋭利な突起物のような危険物がないですか?
⑥ その環境には、風雪雨や炎天を避けられる屋根や囲いの場所がありますか?
⑦ 快適な休息場所がありますか?
3、外傷や疾病からの自由
⑧ 動物は、痛み、外傷、或いは疾病の徴候を示していませんか?
もしそうであれば、その状態が診療され、適切な治療が行われていますか?
4、恐怖や不安からの自由
⑨ 動物は、恐怖や精神的な苦痛(不安)の徴候を示していませんか?
もし、そのような徴候を示しているなら、その原因を確認できますか?
その徴候をなくすか軽減するために的確な対応が取れますか?
5、正常な行動を表現する自由
⑩ 動物は、正常な行動を表現するための充分な広さが与えられていますか?
作業中や輸送中の場合、動物が危険を避けるための機会や休憩を与えられたいますか?
⑪ 動物は、その習性に応じて、群れあるいは単独で飼育されていますか?
また、離すことが必要である場合には、そのように飼育されて居、明日か?
この評価表は、動物の立場になって考えられたもので、動物を飼育するすべての人(団体)は、これを理解して飼養管理をしていただきたい。
特に犬猫の繁殖業者(ブリーダー)、販売業者(ペットショップ)、保管業者(ペットホテル)、展示業者、動物カフェ、動物愛護・保護団体などは、動物取扱の専門家として「5つの自由」に基づく飼養管理をすようもとめられています。
最近の風潮として殺処分ゼロの意識の高まりから、動物愛護・保護団体の中には、命があればよいとして、劣悪な飼養管理をしているのが見受けられており、その代表的劣悪事例の一つに広島県のピースワンコ(運営母体は、NPOピースウインズ・ジャパン)があります。困ったことに、自治体の中には、殺処分ゼロを達成すために、引き取りを求められたら、そのまま動物愛護・保護団体に依頼するため、ミニピースワンコが各地に存在しています。
動物愛護・保護団体の認定制度が必要と思いますが、まだないので、今後の課題です。